スポーツ

シングルモルト ウィスキーとスヌーカー

 シングルモルトウィスキースヌーカー。どうして今までこの組み合わせに気が付かなかったのだろう。

 日本はゴールデンウィークの最中、国民の休日が他のヨーロッパ諸国と比べても少ないイギリスにおいては数少ない三連休の週末である。たかが三連休と言っても、珍味の如く、一刻一刻を楽しみながら有難く押し頂かなければならない連休だ。

 この連休中に、イングランドはシェフィールド州にてスヌーカー世界チャンピオンシップが開催される。スヌーカー愛好会には見逃すことのできない一大イベントである。そして本日は決勝も二日目、決戦の夜である。
 今年はロニー・オサリバン対マーク・セルビー。前者はその正確かつ他に類を見ない早いプレーから「ロケット」と称され、難しいボールでも点を取りに行くアグレッシブなプレイスタイルゆえにファンも多い。マーク・セルビーは、個人的に今までノーマークだったのだが、今回の予選のプレイから見るに、どの戦局でも非常に落ち着いた態度を崩さず、かつ知的な印象も残す、チャンピオンとしての器の大きさを示すプレイヤーだ。

 私とスヌーカーの付き合いは長くもあり短くもある。スヌーカーという競技は昔から知っていたものの、実際に観戦したことはなかった。初めて真面目に観戦したのは、忘れもしない2001年の春、英国にて。まだ私が英国に移住する前のことだ。

 当時、長期出張でイギリスにいた私は、この連休中にホテルで一人時間を過ごしていた。その日、特に観光に出るあてもなくホテルにいた私は、次週に備えて衣服にアイロンをかけることを思い立ち、何かテレビで観るものはないかとBBCにチャンネルを合わせた時に放映されていたのがスヌーカーである。更に、対戦者の一人がロニー・オサリバンだったことが運の尽きだった。この日、アイロンがけが終わった後も私はスヌーカーの戦局をほぼ一日、一人で観戦し続けることになる。

 今でも覚えているのが、ロニー・オサリバンのプレーの早さだ。迷わない。ためらわない。なおかつ正確にターゲットの球を落としていきつつ、次のプレーに備えてキュー・ボール(白球)を正確にコントロールしていく。当時オサリバンは20代。困難と思われる局面でもリスクを取って得点を取りに行く大胆さが一際目立っていた。この大胆さが今でも彼の人気の理由の一つでもある。

 スヌーカーをご存じない方のために付け加えておくと、スヌーカーというのはアメリカで一般的にプレーされるプールの3倍はあろうかという大きなテーブル上でプレーする球技だ。スヌーカーという言葉自体に「妨害する」といった意味があることからもわかるように、単に球を落とすだけでなく、いかに相手のの状況を難しくするかという部分も重要な要素となる。ルールーもプールよりもっと複雑であり、基本的にプールとは別のスポーツだと考えてもらった方がよいだろう。体力はもとより、知力と駆け引きと精密なコントロールが要求されるゲームである。

 結局、その当時は時間の許す限りトーナメントをテレビで観続けたわけだが、この時のロニー・オサリバンの大胆なプレー・スタイルの記憶が、私のスヌーカーに入れ込む一つの要因となったのは間違いない。

 年は移って、2014年。

 夕食の伴に赤ワインを飲みながら夜のゲーム再開を待っていたが(スヌーカーは長時間にわたるスポーツのため、午後の部、夜の部などと対戦時間がいくつかに配分される)、ふと思い出したのが棚の奥のウィスキーのボトルだ。なぜかイギリス人の友人達にもらった山崎の10年シングルモルト。それからシングルモルト・スコッチウイスキー。私はウィスキーはロックで飲むと決めている。氷が溶けるにつれて微妙に風味を変化させるシングルモルトウィスキー。微妙な駆け引きが展開されるスヌーカーを楽しむのに、これ以上ふさわしい飲み物があるだろうか。今現在でマーク・セルビー:17フレーム(18フレームと取得した選手が勝ち)対ロニー・オサリバン:14フレーム。まだどうなるかわからない局面である。

 今夜は日英のシングルモルト二つをロックで手元に置きながら、チャンピオンシップを最後まで見届けようと思う。
スポンサーサイト

[映画] ベルヴィル・ランデブー(Belleville Rendez-Vous) (2003)

 ヨーロッパ(といっても大陸側の話だが)では、自転車がずい分人々に身近な存在なように見受けられる。例えば、ベルギーに行った際、オランダのビーチにドライブに行く機会があった。その道中、週末だったこともあろうが、家族全員で、あるいは中年のカップルでサイクリングを楽しんでいる人々がずいぶん沢山いて、驚いた。ベルギーでも自転車は目についたが、なぜかオランダに入った途端に目に入る自転車の数がさらに増えたのだ。ただ田園地帯を通って行ったので、国境を越えると言っても特にサインがあるわけでもなく、バーやカフェのビールの看板ががハイネケンに変わるから、それと分かるだけなのだが(笑)。
 
 恐らく平らな地形も自転車がポピュラーな理由の一つなのだろうが、目的地のビーチ周辺では流れる自転車の数があまりに多くて、一瞬北京はこんな感じなのかと思ったくらいだ(大げさ)。でもビーチ前にぎっしりと止めてある自転車の中には洒落たものも沢山あり、またさりげなく凝ったアクセサリーを付けていたりして、人々がサイクリングも自転車自体も楽しんでいる様子が感じられた。

 もちろんオランダだけではない。7月にパリに行った際には滞在最終日がたまたまツール・ド・フランスの最終日で、タクシーの運転手もレース終盤の様子を熱心に話してくれた。そしてツール・ド・フランスと聞いて私が真っ先に思い出した映画が、この「ベルヴィル・ランデブー」なのである。

 映画の話をするのに、ずい分前置きが長くなってしまった(笑)。でも、日本人にはあまり馴染みがないツール・ド・フランスのような自転車レースも、大陸側ヨーロッパでは映画の題材にする位人気のあるスポーツなのだろうと、実際に目にして感じたからである。ちなみにいろいろなスポーツを発明した英国人は、自転車にはそんなに興味がないように見受けられる。代わりに、歩くのが好きだ。これについては、また別の機会に触れたい。

 シャンピオン少年は、おばあさんに育てられて平穏(?)幼少期を送るが、彼の情熱を勝ち得たものが自転車。出だしは三輪車だが、ツール・ド・フランスを目指して、おばあさんと訓練を重ねる。そして見事レース出場を果たすのだが、なんとレースの途中で悪者達にさらわれてしまう。そこで、おばあさんがペットの犬と共に、大事な孫を探しに冒険の旅に出る、というのが物語の大筋である。シャンピオンが主人公かと思いきや、実はこのおばあさんの大奮闘の方が物語のメインだ。
Belleville Rendez-Vous

 フランス人監督による、フランス、カナダ、ベルギー共同制作のアニメーション映画だが、セリフがないに等しい。だから登場人物の表情や情景描写がより引き立ってくるのだが、下の画像からも分かるように、クセのある画ははっきり言って雰囲気が暗いし、登場人物は極端にデフォルメされている。これはウォレスとグルミットのような無邪気なアニメーションではない。ブラックが入ったユーモアに多少のグロテスクさが加味されて、1930年代風ジャズを組み合わせた(この音楽がまた良い)、というのが全体の雰囲気だ。
004_s.jpg 005_s.jpg 0052.jpg

 ただ、これが観ていると独特の味わいで、笑わせられながらだんだん引き込まれていく。この風味、この後味、どこかで見たことがあると、観終わった後で思い出したのが、同じくフランス人のジュネ監督(Jean-Pierre Jeunet)の「デリカテッセン(delicatessen)」。暗い色調の画像、戯画化された人物達とブラック・ユーモア。この独特の処方は、フランス人好みなのだろうか。

 ディズニーやピクサー、ジブリだけがアニメーション・スタジオではない(どれも好きだが)。たまにはこんな違った雰囲気のアニメーション映画を観るのもいいと思う。私がこの映画を観た時には、日本人受けしなくて日本では公開されないのではないかとも思ったが、日本語の公式サイトを発見し、ミニシアター系でも公開された様子を見て、嬉しかった。

 フランス語原題は'Les Triplettes De Belleville'。オフィシャルサイトにも表示があるが、いろいろな賞を受賞している。

評価:★★★★☆(4.0/5.0)

決勝戦

 今日は決勝戦の日だった。

 ウィンブルドン男子決勝と、ワールドカップ決勝である。ワールドカップが4年に1回でよかったと思う。でなければ、とてもじゃないが毎年両方をフォローするなんてムリだ(笑)。
 ウィンブルドンは好きなので、日本でも夜中に見ていたが、4年に1回のお祭りの方が、自然と優先順位が高くなる。

 ウィンブルドン決勝は、フェデラー(スイス)とナダル(スペイン)の対戦(どちらの選手についても詳しいわけではない…)。25歳と20歳の対決だが、フェデラーは既にウィンブルドンで3連勝していることもあるのだろうか、特製のジャケットを羽織って、コートに出る前から余裕の落ち着きぶりだったのに対し、ナダルはエクササイズを止めることなく、二人の態度が対照的だった。

 試合が始まると、コメンテーターは「フェデラーのような選手をみたことない」「どんなプレーにおいてもトップの選手だ」等々、フェデラーをべた褒めだし、1セット目はフェデラーが6-0で余裕で取ったこともあり、このままフェデラー優位で終わってしまうのだろうかと思っていた。しかし、2セット目からナダルがだんだんと調子が出てきたのか、面白いラリーが続くようになった。途中で外出してしまったので、全試合を見たわけではないが、ナダルもずい分健闘した様子。見過ごした終盤は、きっと見ごたえがあったに違いない。若いナダルも、これからまだまだ伸びそうで、楽しみな選手だ。

 関係ないが、フェデラー自身のホームページのプロファイル欄に、生年月日だけでなく、生まれた時間まで書いてあるのを見て、さすが時計で有名なバーゼル生まれだからだろうか、とちょっと可笑しかった。

 一方のワールドカップは、先日の準決勝で素晴らしいプレーを見せてくれたので応援していたイタリアが優勝。今頃ローマやミラノはお祝い騒ぎで大変なことになっているだろう。
3505317875.jpg

 ただ、ジダンの頭突き、それに続く当然のレッドカードという出来事が、試合の後味を悪くした。ジダンはあれだけの素晴らしい選手だが、だからなおさら、あのような行為は彼の選手としての品位と、決勝戦という檜舞台の品位をも落としてしまったと思う。残念だ。選手としてピッチに立つ最後の試合、それもワールドカップ決勝戦をレッドカードで去ることになった彼の胸中は、今どんなだろうか。
 個人的には、今回の試合に関するフランスのメディアのコメントがどんなものか、知りたいものだ。

ワールドカップ -イタリア対ドイツ-

 ついさっき終わった、イタリア対ドイツ準決勝戦。

 ワールドカップはかなりの試合を見ているが(笑)、試合そのものについては書くまいと思っていた。メディアが出す試合批評だけでも掃いて捨てるほどあるのに、選手の名前も覚えられない私のような素人が何を書くか、と思うからだ。

 が、しかし、何という試合。双方得点ゼロで迎えた延長戦で、誰もがペナルティ戦になると思っていたに違いない、残り時間2分というその時に、イタリアが叩き込んだゴール。それだけでも驚異だったのに、その後必死にイタリアゴールに攻め上がるドイツから、イタリアが見事なインターセプトでボールを奪い返し、駆け込んだデル・ピエロが正確なパスを受けてゴールをきめた。何というか、実に華麗。

 ホスト国のドイツ人には気の毒な結果になったが、今回のワールドカップの中でもトップクラスの試合だったと思うし、本当に見ていてよかったと思える試合だった。

2748933010.jpg 1019628222.jpg

Royal Ascot

 今日はロイヤル・アスコットの開幕日だった。

 英国由来のスポーツは沢山あるが、もちろん競馬もその一つ。私はレースそのものには興味はないが、アスコットを見るのは楽しい。女王とロイヤルファミリーの入場から始まって、何より並み居る紳士淑女のおしゃれを見るのが楽しいからだ。新聞でも、レースそのものに割くスペースと同じくらい(あるいはそれ以上)、着飾ってきた女性達の服装、特に帽子の写真に、紙面を割く。

 下の写真は、アスコットで沢山見られる奇抜なデザインの帽子の一つ。なんでもアスコットの競馬場が今年リニューアルされたそうで、その新しい競馬場をデザインしたのだろう。
奇抜なデザインの帽子

 登場するサラブレッドも、生まれ育ちの良さそうな高貴な顔立ち・体つきをしたきれいな馬ばかり。上のリンクから見られる写真では残念ながら分からないが、サラブレッドの中には、人間で言えば腰のところに、毛の刈り込みできれいに市松模様や縞模様などが施されたものもいた。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。