国際情勢

安全というもの

 かれこれ2ヶ月ほどこちらの更新をお休みしてしまった。
主な理由は仕事が忙しかったことに尽きるが、それでも書きたいネタはどんどんたまっていくので、全てをこちらに書ききれないのが残念。

 6月中にはヨーロッパ内での出張が入って、ロンドン・ヒースロー空港を何回か利用する機会があった。最近の飛行機での旅行でうざったく感じるのが、空港でのセキュリティチェックである。同じように感じている人は私以外にも沢山いらっしゃると思う。

 ヨーロッパ圏内ではパソコンバッグ等大きめのバッグ(いわゆる機内持ち込み手荷物)のほかにハンドバッグの機内持ち込みが認められている。二つ持っていけるわけだ(日本でも同じ)。
これが英国内空港から搭乗する際に限って、だめなのである。機内持ち込み荷物は純粋に一つだけと制限されている。例えば女性がハンドバッグをPCバッグ以外に携帯しているような場合には、いかなる形でもいいのでとにかく荷物を一つにまとめることが要求される。
 
 私がこのケースだった。この規制を知らなかったのは、昨今の状況を慮れば事前に確認しなかった自分が悪いのだろうが、パソコンを入れているバッグには、ハンドバッグなどを入れる余裕もなく、かといってそのままではセキュリティも通過させてもらえず(正確に言えば、このチェックはパスポートコントロール以前に行われていて、X線を使ったセキュリティチェックでは荷物の個数はチェックしていない様子)、困ってしまった。最終的には、航空会社のカウンターから大きめのショッピングバッグをもらい、それに両方を詰め込んで「荷物は一つ」としたことで(笑)、ようやくそこを通過させてもらった。

 しかしこれはまだいい方で、何度も抜き打ち的に繰り返されるセキュリティチェックによるトラブルはいやなものである。
 
 フランクフルト空港で目撃した話になるが、それは二度目のセキュリティチェックも通過し、搭乗ゲート直前に設けられた三度目のチェックポイントだった。私の前にいた老夫婦が、もちろんこんなところでまたセキュリティチェックがあるとは予期もせずに買い込んでしまったウォッカのボトルを没収されてしまったのだ。もちろんこれも最近の液体物持込規制が理由。係員に懇願する老婦人と、憤慨して文句を言う老紳士。しかしそこはドイツ、ルールですからと、怖い顔をした係員のおばさんはにべもない。様子を見ていて気の毒になったが、もちろんどうすることもできずにその場を離れた。

 これはこの老夫婦に限った話ではない。私も二度目が終わるとさすがにこれが最後だろうと思ってミネラルウォーターを購入すると、その後に控えていた三度目のチェックで没収されたことがある。DFS(Duty Free Shop)はどこも普通に営業しているし、どこにも「この先にセキュリティチェックがありますから、液体物の購入をお控えになりますよう」などという親切な表示はない。これは全世界の空港で同様だ。もしそういう表示があれば、乗客だって没収される品物に余計なお金を払ったりせずにすむものなのにと思うのだが。これもセキュリティの一環なのだろうか。

 セキュリティの厳しさに対して不平を言いたいのではない。逆に、安全のために決してそうやりがいもあるとも思えないような地道で地味な仕事を毎日繰り返している係の人達には、お礼を言いたい位だ。だが同時に、セキュリティに関連して増やしているだろう人員にかかるコストは、どれくらい運賃に跳ね返ってきているのだろうとも思う。

 そんなことを考えながら帰ってきて二日おいて、英国グラスゴー空港でのテロが起きた。しみじみ安全というものの価値を感じる今日この頃である。
 London night view 珍しく上空から見えたロンドンの夜景
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ロシアと揉めると…

 エコノミスト(The Economist)を購読しているが、この雑誌、表紙のセンスが良くて、時々とてもウケてしまう。今週号の表紙はこれ↓。ロシア国旗を背景に、プーチンがマフィアの親分よろしくポーズを取っているのだが、手に握っているのは機関銃ならぬガソリン給油用の器具である。
Don’t mess with Russia

 つい最近、ロシア元スパイの暗殺事件が英国はロンドンで起こった記憶もまだ新しい。ロシア/プーチンに歯向かうとろくでもないこと、言うなれば個人レベルでは暗殺、国レベルではエネルギー資源の供給停止が起きますよ、というところだろうか。実際にロシアは、周辺の旧ソ連邦国家に対して石油の蛇口を開けたり閉めたりすることで、有利な外交を進めている。

 今年のヨーロッパは何百年か振りの暖冬だそうだ。モスクワでも、例年なら雪に覆われている時期なのに、未だ全く雪が積もっていないらしい。この暖冬のせいもあるのだろうか、今年は冬場の資源対策の話題をあまり耳にしないが、これが去年の冬はすごかったのである。例年並みの寒さだったように記憶しているが、秋の終わり頃から、冬場に向けての暖房に使われる石油と特にガスの供給が追いつかないのではないか、という懸念が広がり、ニュースでも北海油田の状況(そろそろ掘りつくして終わりだそう)やヨーロッパにおけるガスの供給状況について、随分取り上げられていた。その際に必ず触れられていたのがロシアである。地理的にも近い上に潤沢な石油・ガス資源を持っているが、ヨーロッパ諸国としては出来る限りロシアの世話にはなりたくない。ロシアを資源供給国としたら最後、ロシアに強力な外交カードを渡してしまうからだ。蛇口の開け閉めでコントロールされるようにはなりたくないということである。

 そういうヨーロッパ諸国とロシアの外交情勢についても触れられているのではないかと想像するが、実はまだ記事は読んでいない。表紙についてごたごた書いている時間があれば、内容を読めと言われてしまいそうだ(笑)。
 エコノミストはそれなりに一冊が読み応えがある上に週刊とくると、なかなか隅々まで読みきれないのがつらいところ。古いのを読んでいるうちに新刊が届くから、机の隣の山がだんだん大きくなってしまう。隔週にならないかな、などと勝手なことを思ったりするが、、やはりそれより自分の英語を読むスピードを上げる方が先なんだろう。
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