2007年01月

マナー・ハウスその2 ~ボウウッド・ハウス(Bowood House)~

 ボウウッド・ハウス(Bowood House)は、ウィルトシャー(Wiltshire)・カウンティの中では比較的名の知られたマナーハウスだ。

 ここで、カウンティ(County)とは英国における日本の「県」のようなものである。その多くはウィルトシャーのように名前の語尾に'shire'という綴りが付いている。これも中世に地域行政区分を示すのに使われた言葉で、それがそのまま残っているのである。このように地名の最後にある場合には「シャー」と発音するが、映画でも有名になった「指輪物語」ではホビット達の故郷が'The Shire'(「シャイヤー」)という名前がつけられており、発音こそ違うもののこれは明らかに'shire'という言葉から取られたものだろう。

 のっけから話が外れてしまったが、このボウウッド・ハウス、実は通勤途中にあるので気になってはいたものの、近くにあるものの常で行きそびれていたのを、ある天気の良い週末に意を決して遊びに行ってみた。
 すると実に良いところである。
Bowood House

 建物の中に入って綺麗に保存してある内部を楽しむのもいいが、是非天気の良い日に訪れて庭を楽しむのが、ボウウッド・ハウスでは一番の過ごし方だと思う。建物の前方には綺麗に花が植えられて、もちろんそれはそれで綺麗なのだが、それは庭のほんの一部で、建物周辺の大変広い敷地は緩やかな起伏と湖とで奥行きのある表情を見せている。

建物外観と前庭。
front garden front 352969125_edd6d7c2a5_b.jpg

建物内部の様子。
inside tapestries.jpg library.jpg

 建物内部では、世界で最初に酸素を発見した英国人学者が実験室に使っていたという部屋や、美しい宝飾品やナポレオンの遺物なども見ることができる。このナポレオンの遺物コレクションというもの、ボウウッド・ハウスに限らず英国では他にも目にする機会があるのだが、英国人とフランス人との間の感情的確執(はっきり言って、彼らはお互いに好きではないのだ)を考えると、なぜ英国人がフランスの英雄の遺物や関連物をコレクションして喜んでいるのだろうかという個人的疑問がある。誰か理由を知っている人がいれば教えてほしいものだ。
 また大戦中は疎開先や病院としても使われたそうで、内部にはそのころの資料も展示されている。

garden view lake.jpg

 内部にはティールームもあり、例のクリームティーで一休みすることもできる。広大な庭の一部は子供向けの公園になっている場所もあり、子供連れで一日遊びに来る家族連れも多い。ピクニックに来るにももってこいの場所だろう。

 ちなみに私が遊びに行ったのは昨年の9月半ばである。くれぐれも冬の今頃に写真のような青空が見られると勘違いなさらないよう(笑)。
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シープ・アタック!

 朝、起き抜けにふとお向かいさんの方を見ると、羊だらけ↓だった。

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  金曜日の朝のことである。
羊がいる敷地は個人宅の敷地であって、牧羊場ではない。だが両隣の敷地がナショナル・トラスト(National Trust)の管轄地で、羊が放牧されている。どうもその敷地との境のどこかから、羊が侵入してしまったらしい。

 羊というのはおかしな生き物で、一頭が鳴くと他の羊も鳴き始めるし(英語では羊は「バァーッ!」と鳴く)、一頭がどこかに行くと他の羊達もついて行く。今回も最初の一頭が侵入口を見つけて入ってしまったのを、他の羊達が後をついて行った挙句、お向かいさんが羊だらけになってしまったと思われる。

 そしてこの有様。
20070106205554.jpg 人様の庭に堂々と…
20070106205804.jpg 君達、ガーデン・テーブルにも登ったのか?!

 お向かいさんはちょうど留守にしていたため、この緊急事態には我々が対処することになった。どうやら何かの拍子で境界の塀の扉が開いてしまったらしい。そちらに向かって羊を誘導する。なんだか牧羊犬になった気分。面白いのが、羊達が帰る方向を覚えているらしいこと。羊なりにも、禁断の芝生の味が後ろめたかったのか、あるいは単に元の場所に戻りたかっただけなのかは分からないが。
20070106211154.jpg 隣の芝生は確かに青かったけど…
20070106205208.jpg やっぱり元の場所の方が落ち着くみたい

 しかしここで問題発生。一頭が背中を下にして地面に転がったまま(見づらい写真ですが一応リンク先に載せておきます)で、どうも調子が悪そうなのだ。調べてみるとこのような状態の羊を'cast sheep'と言うらしい。和訳しづらい言葉だが、要はこのように地面に転がった状態で起き上がれない羊のことである。なんと、平地で一度背中を下にして転がってしまうと、彼らは自力で起き上がれないのだ。なんでも、羊は元来丘陵地で暮らしていたため、斜面では自動的に転がって起き上がれていたのが、平地ではそれができないためだとか。信じがたいような話である。しかし実際に目の前に一頭、その有様でいるのだから本当なのだろう。
 また更に信じがたいことだが、羊がこの状態になると、苦しんだ挙句に比較的短時間で死んでしまうらしい(えぇ~)。羊は極端な低血圧で、逆さになると血流が行き渡らなくなるからだ。
 「カスト・シープ」は特に冬場の分厚いウールを着込んでいる羊や、妊娠中の羊に起こる危険性が高いとか。更に自重が重くなって、起き上がるのがもっと難しくなったり、バランスを崩して転がりやすいからだろう。

 目の前で起き上がれなくなって苦しんでいるのは、まさしく真冬のウールに包まれて、なおかつ妊娠中の、真ん丸く重くなったメスの羊である。早く起こさないと死んでしまう…。

 ここでシープ・ドクター登場。
…もとい、写っているのは羊の(お腹の子羊共々)命を救った夫である。単によっこらしょ、と羊をひっくり返しただけなのだが、やけに得意げである(笑)。羊が落ち着くまで15分程なだめてやると、その後無事に他の羊と同様、元の牧羊場に向かって帰っていった。
20070106205505.jpg

 結局その日は重役出勤。羊の命を救っていたからとは、田舎暮らしならではの遅刻の理由である。

冬の果物

 冬のこの時期、日本ではコタツにみかんの組み合わせですごしている人も多いのかもしれない(私自身はコタツを使ったことがないのだが)。初めて迎えた英国の冬の最中、スーパーで普通にみかんを売っているのを見て、懐かしさ半分、驚き半分だったのを覚えている。商品名は"Satsuma"(サツマ)。スペイン産らしい。宮崎、鹿児島あたりの品種を持っていったのだろうか。

 それから最近見つけたのが、柿。これはイスラエル産で、'Sharon
Fruit'という名前で売られていた。このシャロン・フルーツという名前は、こちらでの柿の流通名なんだとか。イスラエル産ということで、名前の由来がシャロン元首相と関係でもあるのか?などと思ったりしたが、よく分からない。

 日本で手に入る柿と比べるととても小ぶりだが、ちょと柔らかめの果肉は、食べるとしっかり日本の柿の味がした。
Sharon Fruit
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