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[映画] ベルヴィル・ランデブー(Belleville Rendez-Vous) (2003)

 ヨーロッパ(といっても大陸側の話だが)では、自転車がずい分人々に身近な存在なように見受けられる。例えば、ベルギーに行った際、オランダのビーチにドライブに行く機会があった。その道中、週末だったこともあろうが、家族全員で、あるいは中年のカップルでサイクリングを楽しんでいる人々がずいぶん沢山いて、驚いた。ベルギーでも自転車は目についたが、なぜかオランダに入った途端に目に入る自転車の数がさらに増えたのだ。ただ田園地帯を通って行ったので、国境を越えると言っても特にサインがあるわけでもなく、バーやカフェのビールの看板ががハイネケンに変わるから、それと分かるだけなのだが(笑)。
 
 恐らく平らな地形も自転車がポピュラーな理由の一つなのだろうが、目的地のビーチ周辺では流れる自転車の数があまりに多くて、一瞬北京はこんな感じなのかと思ったくらいだ(大げさ)。でもビーチ前にぎっしりと止めてある自転車の中には洒落たものも沢山あり、またさりげなく凝ったアクセサリーを付けていたりして、人々がサイクリングも自転車自体も楽しんでいる様子が感じられた。

 もちろんオランダだけではない。7月にパリに行った際には滞在最終日がたまたまツール・ド・フランスの最終日で、タクシーの運転手もレース終盤の様子を熱心に話してくれた。そしてツール・ド・フランスと聞いて私が真っ先に思い出した映画が、この「ベルヴィル・ランデブー」なのである。

 映画の話をするのに、ずい分前置きが長くなってしまった(笑)。でも、日本人にはあまり馴染みがないツール・ド・フランスのような自転車レースも、大陸側ヨーロッパでは映画の題材にする位人気のあるスポーツなのだろうと、実際に目にして感じたからである。ちなみにいろいろなスポーツを発明した英国人は、自転車にはそんなに興味がないように見受けられる。代わりに、歩くのが好きだ。これについては、また別の機会に触れたい。

 シャンピオン少年は、おばあさんに育てられて平穏(?)幼少期を送るが、彼の情熱を勝ち得たものが自転車。出だしは三輪車だが、ツール・ド・フランスを目指して、おばあさんと訓練を重ねる。そして見事レース出場を果たすのだが、なんとレースの途中で悪者達にさらわれてしまう。そこで、おばあさんがペットの犬と共に、大事な孫を探しに冒険の旅に出る、というのが物語の大筋である。シャンピオンが主人公かと思いきや、実はこのおばあさんの大奮闘の方が物語のメインだ。
Belleville Rendez-Vous

 フランス人監督による、フランス、カナダ、ベルギー共同制作のアニメーション映画だが、セリフがないに等しい。だから登場人物の表情や情景描写がより引き立ってくるのだが、下の画像からも分かるように、クセのある画ははっきり言って雰囲気が暗いし、登場人物は極端にデフォルメされている。これはウォレスとグルミットのような無邪気なアニメーションではない。ブラックが入ったユーモアに多少のグロテスクさが加味されて、1930年代風ジャズを組み合わせた(この音楽がまた良い)、というのが全体の雰囲気だ。
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 ただ、これが観ていると独特の味わいで、笑わせられながらだんだん引き込まれていく。この風味、この後味、どこかで見たことがあると、観終わった後で思い出したのが、同じくフランス人のジュネ監督(Jean-Pierre Jeunet)の「デリカテッセン(delicatessen)」。暗い色調の画像、戯画化された人物達とブラック・ユーモア。この独特の処方は、フランス人好みなのだろうか。

 ディズニーやピクサー、ジブリだけがアニメーション・スタジオではない(どれも好きだが)。たまにはこんな違った雰囲気のアニメーション映画を観るのもいいと思う。私がこの映画を観た時には、日本人受けしなくて日本では公開されないのではないかとも思ったが、日本語の公式サイトを発見し、ミニシアター系でも公開された様子を見て、嬉しかった。

 フランス語原題は'Les Triplettes De Belleville'。オフィシャルサイトにも表示があるが、いろいろな賞を受賞している。

評価:★★★★☆(4.0/5.0)
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