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[映画] 300 (2007)

 久々に映画の話。3月末に観たので少々古い話になるが、近年観た映画の中ではインパクトが大きかった映画の一つである。
 暴力的描写が多いということで、R指定のこの映画。実際、血しぶきも相当飛ぶ。この時点で、「この映画はタイプじゃない」と思われた方は、どうぞ以下読み飛ばして頂きたい。
Poster

 物語の舞台は紀元前5世紀、スパルタを侵略から守ろうとする王レオニダスと王に従う精鋭300人の兵士達の戦いが物語のメインとなる。実際にあった歴史的出来事に基づいてはいるが、この映画自体が歴史的に正確かどうかはあまり問題ではなし、それについてとやかく言うのは野暮であろう。監督も「これはオペラであってドキュメンタリーではない」と言っているのは、映画を観るとよく分かる。

 映画は語り部が物語を語り進む形で進むのだが、その時その時で物語の焦点となる対象以外は画面から削り去られている。そういう意味ではストイックという印象を受けるが、それがうまく対象を際立たせて観る側の目を引きつける。下の写真からも分かるように、光と影をうまくつかった映像もこの効果を強めている。
 このほかにもスローモーショーンの効果的な使い方など、斬新な表現が使われている。近年のメジャーな映画では、マトリックス(The Matrix)が他の映画にさんざんコピーされたが、300のスタイルもこれから同様にコピーされるようになるかもしれない。
photo8.jpg  photo3.jpg

photo4.jpg photo1.jpg

500868202_68717f7461.jpg

 キャストに関して言えば、特に有名どころは出ていない。上の写真のデイビッド・ウェナム(David Wehnam)が映画「指輪物語」でファラミア役で出ていたのを覚えている人も多いかもしれないが、それ位だろう。本国米国、またヨーロッパでもかなりの興行成績を収めた本作品だが、米国ではR指定でなおかつ有名俳優・女優の出演無しでそれだけの興行成績をあげたということでも話題になったらしい。

 原作である、フランク・ミラー(Frank Miller)のコミックブック「300」。
300_comic.jpg クリックするとちょっぴり中が覗ける(Amazonさん、ありがとう)。

うちにもなぜか一冊あって(笑)、通して読んでみたが、映画の映像はほぼこのコミックブックそのままである。もっと言えば、本をそのまま映画の絵コンテに使った感じだ。フランク・ミラーは映画のディレクターもやっているので、そういう意味では彼が絵を描く視点がそもそも絵コンテ的なのかもしれない。下に挙げた、本の絵と映画の映像の一場面の比較を見ると相似が分かりやすい。
678px-This_Is_Sparta_GN_to_film.jpg イメージ出典:'Wikipedia 300_(film)'

 物語自体は5秒で要約できてしまうが(笑、その場合「30秒で分かる『母を訪ねて三千里』」位みもふたもなくなってしまうが…)、その物語を映像と音楽を組み合わせて現代版語り部的に表現したのが、この映画と言えるかもしれないと思う。語り部には、史実に正確であるよりも、時には誇張を交えながらもいかに聴き手を捉えるかの方が大切である。話から残された印象が聴き手の想像をかき立てるように、映画館を出た後に物語について想像を膨らませている自分に気が付いた。これだけCGを使った作品でありながら、鑑賞者に想像の余地を残せる、かつそれだけの印象を残す映画は、すごいと思う。

The 300 クリックすると英国の「300」オフィシャルサイトへ。
日本のオフィシャルサイトはこちら。日本での公開は6月9日から。

評価:★★★★☆(4.5/5.0)
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